とし、操船の確実性と信頼性を向上させる。
(4)航行情報支援

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自船の航行状況に応じて、必要最小限の情報・メッセージをノータッチオペレーションを基本として、タイムリーかつ自動的に提供する。
航海当直員は、操船指令ステーションのカラーグラフィックディスプレイに表示される画面や出力させる音声メッセージを航行モードや出力位置ごとに事前に設定・登録することができる。航海中、システムは自船位置に従って自動的に表示画面やメッセージを選択・提供する。
設定・登録内容は、ファイルとして保存可能で、航海当直員がそれぞれ専用の画面レイアウトや音声メッセージでシステムを使用することができる。またマルチメディア手法を用いることにより操作性の向上を図った。
この機能により、操船各局面において必要な情報をノータッチで得ることができるため、システム操作の面で航海当直員の負担にならない。
また航海当直員自身が登録した形式で提供されるため、必要な情報を他の多くの情報と明確に識別することができ、航行状況や衝突・座礁の危険の有無を誤認議・誤判断することなく確実に把握することが可能である。
必要な情報に付随する情報や詳細なデータはタッチパネルによりワンタッチで選択・表示することができる。表示画面は、電子海図がペースに表示されており、その上に必要情報がマルチウインドー(多重画面)表示される形式で、各ウインドーは任意の位置に移動可能である。
(5)座礁/衝突予防避航操船
本機能は、船舶の海難事故のうち発生頻度が極めて高い衝突や座礁を予防するために衝突または座礁の危険に対して、操船者が誤りなく安全かつ的確な避航行動を実施できるように判断材料を提供する。
電子海図上の自船の安全等水深線や航行禁止区域等の境界/ARPAレーダーからの他船ターゲットデータを基に座礁・衝突の危険がある場合には、これらの危険を回避するための航路(局所変針点列)を計画する。
避航航路の計画方法は、ツリー探索を用いており、自船から一定の時間。ことに設定されるレベル。ことに、幾つかの選択可能針路の中から座礁/衝突の危険性の有無、海上衝突予防法遵守等の観点で評価し、安全な避航航路を求める。
変針による避航航路計画に加えて、速力調整による避航操船プランも実施可能である。その際、避航のための船速指令と船位予想点列を表示装置上に表示し、避航操船の支援を行うことができる。また避航操船プラン作成完了後、航海当直員の確認を得ながら計画された避航操船プランに沿って、自船を自動的に操船することもできる。
(6)就労監視
就労監視は、ブリッジでのワンマン運航時に航海当直員の就労状態をチェックし、航海当直員の不在のために引き起こされる重大事故を未然に防ぎ、安全運航を確保するために重要な機能である。
就労チェックの方法が航海当直員にとって負担にならないように本システムでは、音声入出力機能を利用している。
システムが発する音声報告に対して、航海当直員は確認のアンサーバックを行うこととし、確認アンサーバックがなされない場合には、航海当直員に異常があると判定し、航海士居室および公室に延長警報を出力する。さらにその後の状況により、汽笛後主機関の自動減速を行う。
以上内航タンカー航海支援システムの仕様を構築し、概念設計を行い、これに従い実後レベルの開発・評価を行い、所期の目的を十分達成した。今後、実証船におけ

 

 

 

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